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甲状腺 thyroid-gland

甲状腺と甲状腺ホルモンとは??

甲状腺とは、のどぼとけの下にある蝶ような形をした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。 甲状腺ホルモンは、カラダ全体の新陳代謝を促進する働きがあります。 通常、甲状腺ホルモンは、多すぎたり少なすぎたりしないようバランスが保たれていますが、甲状腺の働きに異常があらわれると、そのバランスが崩れてしまいます

甲状腺の主な病気

バセドウ病

甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能が亢進する病気です。 バセドウ病では特殊な「抗体」が作られ、これが甲状腺を刺激して、過剰に甲状腺ホルモンを分泌させてしまいます。自己免疫疾患の1つです。 甲状腺ホルモンが過剰な状態では、安静にしていても常にマラソンをしているような負荷が体にかかってしまい、頻脈・微熱・発汗・動悸・下痢などの症状をきたし、心不全の原因となることもあります。

検査

  • ・甲状腺ホルモンと甲状腺自己抗体
  • ・甲状腺超音波検査

治療

  • ・薬物療法(抗甲状腺薬の内服)
  • ・放射線治療(アイソトープ治療)
  • ・手術治療(甲状腺亜全摘術・全摘術)
日本では、まず抗甲状腺薬の治療から開始することがほとんどです。副作用で薬が飲めない、甲状腺が非常に大きくて薬ではコントロールが難しい場合などに放射線治療や手術治療が検討されます。放射線治療・手術治療については、対応可能な病院へ紹介させていただきます。 抗甲状腺薬を開始すると数ヶ月でホルモンは正常化しますが、急にやめてしまうとすぐに再燃してしまうので薬を徐々に減量していく必要があります。自己判断で通院や薬を中断しないようにしましょう。

慢性甲状腺炎・橋本病

慢性甲状腺炎は、1912年に日本の橋本策(はかる)先生が初めて報告されたもので、橋本病とも呼ばれます。慢性甲状腺炎では免疫の異常によって甲状腺に慢性的に炎症が生じています。若い世代から中高年の女性に多いのが特徴で、有病率は成人女性の約3〜10%とも報告されています。 慢性甲状腺炎は甲状腺機能低下症の原因になりますが、すべての人が甲状腺機能低下症になるわけではありません。

検査

  • ・甲状腺ホルモンと甲状腺自己抗体
  • ・甲状腺超音波検査

治療

甲状腺ホルモンが正常であれば治療の必要はありません。半年から年1回程度、血液検査を行いましょう。永続的に甲状腺機能低下症になってしまった場合は、甲状腺ホルモンの補充療法が必要となります。

甲状腺機能低下症

何らかの原因で、甲状腺ホルモンが出なくなり活動性が低下しむくみや全身のだるさ などが現れ、活気がなくなる病気です。 日本では、甲状腺機能低下症の原因はほとんどが慢性甲状腺炎(橋本病)です。その他、先天性甲状腺機能低下症や甲状腺摘出術後の術後甲状腺機能低下症などがあります。

治療

「チラーヂン」という甲状腺ホルモンのお薬を1日1回内服して補います。 薬というよりは本来体の中で分泌されるはずのホルモンを補充してあげる治療となります。ホルモン補充療法なので、基本的には一生涯、薬を継続する必要があります。

甲状腺腫瘍

甲状腺に腫瘍ができる病気です。腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。 良性か悪性化を鑑別するためには、穿刺細胞診という検査が必要になります。甲状腺腫瘍の位置を超音波で確認しながら、腫瘍に対して針を刺して細胞成分を採取して、顕微鏡で細胞を調べる検査です。この検査は、当院では行うことができないので穿刺細胞診が必要と判断した場合は総合病院の内分泌内科に紹介させていただきます。